About Silken

シルケン ウィンドハウンドについて


特徴

その名は「絹のような毛をなびかせて風のように走る犬」を意味する。

滑らかな毛並みをもつ、優しくエレガントな中型のサイトハウンド。

コーシングやアジリティー、オビディエンスもこなす。

軽すぎず重すぎず、過活動でもなく愚鈍でもないバランスの取れた犬であり、毎日走らせることは必須。

若い犬は犬同士でじゃれあって遊ぶことが好きなことが多い。あまり長時間走らせる必要はなく、満足していれば家で大人しく柔らかいベッドで寛いでいる。室内飼育が適している。

落ち着いた環境や自然体を好むので、強制的に何かをやらせるのではなく、トレーニングは段階を踏んで丁寧に教えることが大切。

人の裏をかいて駆け引きをするような事はあまりなく素直。

激しく吠えたてる性質ではないので番犬よりコンパニオンドッグが向く。

被毛は滑らかで手触りも良いが風になびいた位では絡まらないので手入れは楽でカットは不要。体臭も薄く、毛深くはないので抜け毛は普通程度。


一般外見  

体高は46~60cm位。

足は長くウエストも細く、引き締まった身体はフリンジ(飾り毛)に覆われ、中~長毛の毛並みだが、豪華で柔らかく触り心地が良くエレガントな雰囲気を纏っている。

色はすべての色が許容されている。白、ブリンドル(赤、黒、銀等の虎毛)、クリーム、黒、シルバー、セーブル、白地にそれらの斑、B&T、トライカラー、等。

サイトハウンドの真骨頂である走る姿は美しく、ダブルサスペンションギャロップで走る姿はその最たるものであり、犬好きの心を魅了する。



スタンダード(SWHC)

・サイズ、プロポーション、骨格

シルケン ウィンドハウンドの体高(地面から肩甲部までの高さ)は約47~60㎝を理想とし、プロポーションはおおよそ正方形かわずかに長方形をなす。高さに比べて長すぎたり短すぎたりするのは望ましくない。

体格は適度に肉付き良く、刀身形状の骨と滑らかな筋肉の組み合わせのバランスがのぞまれる。脆弱だったり、重すぎたり、丸みを帯びていたり、骨がごつごつしているものは望ましくない。

・頭部

シルケン ウィンドハウンドの表情は用心深く、親しみ深く、知的である。

目はやや大きく瞳の色素は濃い。形状はアーモンド型で幾分傾いている。目の周りの縁取りは全体にかかっていて濃い。

耳は小さくきめが細かい。安心している時は折れて首に反って後ろに寝ている。何かに注意している時は直立かそれに近く立っているだろう。猟犬のように下がった耳は望ましくない。

頭は適度に長く上から見ると、はっきりと後頭部は狭まっていて、マズル(鼻面)全体から鼻先にかけて次第に細くなっている。マズルは頭蓋に対してよいバランスをとる。横から見ると、マズル上の平たい部分は頭蓋骨の平面部に平行になっており、間にかろうじて知覚できるほどのストップ(段差)がある。

頭部はのみで彫ったようで、皮膚はさらりとして引き締まっており、脈のような筋が目立ってついている。

鼻は暗色でわずかに先が下降していることもある。

唇と上唇は引き締まっており、唇の色素は全体にかかって濃い。

あごは歯に相応して強く、このサイズの犬としては歯は大きい。歯列は揃い、シザーズバイトである。欠歯は望ましくない。

・首、トップライン、胴体

首は長くほっそりし、わずかにアーチを描き、筋肉が発達していて力強い。首はのど元からすっと伸びている。のどの下は垂れ下がっておらず、徐々に左右対称に肩に広がっている。

上部ラインはキ甲のわずかに後ろから徐々に上がっていき、アーチの最高点は最後の肋骨の上に位置し、筋肉質な腰の上を滑らかに流れ、尻部を通り抜けて徐々に降りていく。

背中部分は短く、腰肉部分は適度にながく、幅広く、筋肉質でアーチをえがく。腰はダブル・サスペンション・ギャロップ(二段浮上ギャロップとも言う)を支え、走りにふさわしくしなやかであることが大事。それがシルケンのトップスピードの走りを見せてくれる。

背中が平たく尻が急に下がっているのは腰肉のアーチとして、望ましくない。

胸は深く、肋骨のばねは程よい。

樽型や平たい体側は望ましくない。

胸肉は出来る限り肘に近くまでとどき、タック・アップへと優雅に上方へ湾曲している。これがシルケン・ウィンドハウンドの独特のアンダーラインを形作っている。

尾は長くしなやかで、緩やかなカーブを描いており、よじれがなく、飛節関節(ホックジョイント)下まである。持ち上げた時尻尾は背中より上がってはいけない。先がきつくカールしていたり全体が丸まっている尻尾は望ましくない。

・前肢

肩甲骨はゆったりしていて長く滑らかで平らな筋肉を持つ。良いキ甲が望ましい。上腕の折り曲げがきれいなのがよく、脚がキ甲の下に入っていることが望ましい。肘は内向きでも外向きでもない。前肢はまっすぐで強く、パスターン(前足首)はまっすぐ、もしくはわずかに曲がっているが、角度が強過ぎるのは望ましくない。前肢の狼爪はあっても良い。足先の握りは硬くこぶしになっていて、足裏の肉は厚い。ウサギ足、猫足は共に認められる。

ウサギ足のほうが良い。爪は強く、程よい長さを持つ。

後肢

後肢は良い角度がつき、長い第二大腿部と発達した大腿筋肉がついている。後ろから見て、後肢は前肢よりやや広く、筋肉質で、飛節から下が外に開いているカウホックであってはならない。膝関節は良く曲がり、飛節は短く飛節関節から下は真直ぐ降りている。飛節関節は広く強い。後ろの狼爪は無くなっていることもある(除去しても良い)。足先はしっかりと形よく握ったようになっており、足裏の肉は厚い。ウサギ足も猫足も認められる。ウサギ足のほうが良い。爪は強く、程よい長さを持つ。

・毛皮

毛はやわらかく、絹の様な質感を持つ。シルケン ウィンドハウンドの輪郭が分からないほど毛の量が多くなく、コーシング ハウンドとしての機能を損なうほど長くもない。毛並みはストレートもややウェーブがあるものもカールしているものもいる。前肢の後ろ、胸部、後肢、首の回り、尾には長めの房毛がある。顔、前肢前部、後肢前部の毛は自然に短い。耳と顔を縁取るふさ毛は犬の表情を豊かにするのでトリミングはしない。シルケン ウィンドハウンドは最小限のトリミングで自然な毛を見せる。

・色、模様

どんな色も模様も許容される。

・歩様

シルケン ウィンドハウンドは滑らかで自然なトロット(速歩)で動き、前肢の伸びと後肢からの運びが良い。横から見て脚や身体の動きに不自由さや無駄があるのは望ましくない。前への動きでパドリング歩様(前足首を上に持ち上げるようなパタパタ歩き)、ハックニー歩様(年寄りのようなひょこひょこ歩き)、内股もしくは外股も良くない。後肢の動きで、踵(飛節)が内側や外側にまがってはいけない。立っている時後肢を前肢より広く広げても、犬がトロット(速歩)で動く時に前肢後肢共にセンターラインに近くバランスをとること。広すぎたり狭すぎたり、センターラインを守れない動きは望ましくない。

・性質

シルケン ウィンドハウンドはバランスの良い性格を持つ賢い猟犬である。フィールドでは強い捕食本能を見せるにもかかわらず、穏やかで愛情深く忠実な家庭犬でもある。不当な恐怖心や神経質さや、そのほか人間や犬に敵意を示すことは望ましくない。


歴史

1980年代 アメリカのボルゾイ犬舎クリスタルケネルのフランシー・スタルがウィンドスプライト犬舎のウォルターウィラーが作出した「長毛のウィペット(ゼノン)」を購入しボルゾイ(ピーコック)と交配してシルケン・ウィンドハウンドという新しい品種を作出した。

そこには牧羊犬の遺伝子が含まれる可能性が高い事がCalifornia Davis校の研究で証明されている。

1985年 第一世代のシルケン・ウィンドハウンド (Kristull “D” litter)が誕生。

1998年 シルケン・ウィンドハウンドという名前が正式に採用され、Yahoo Groupのリストが作成される。

<最初のシルケン・ウィンドハウンドがスウェーデンに輸出される>

<フィンランドに輸出される>

1999年 国際シルケン・ウィンドハウンド協会(ISWS)設立。

愛好家が初めて集まり、最初のシルケンフェスタが開催される。

2000年 ISWSによってシルケン・ウィンドハウンドの血統書の管理と、この犬種の繁殖に使われるすべての親犬のDNA検査を開始。

<カナダ・ドイツに輸出される>

2001年 フィンランドでシルケン・ウィンドハウンド クラブが結成される。

<スロベニアに輸出される・スウェーデンで仔犬誕生>

2002年 フィンランドで初のシルケンフェスタが開催される。

2003年~2007年 <ヨルダン、バハマ、オランダ、南アフリカ、スイス、イタリア、イギリス、アラブ首長国連邦、カナダ、ノルゥエー、オーストリア、ニュージーランドに輸出される><フィンランド・英国、カナダで仔犬誕生>

2006年 日本に初めてのシルケン・ウィンドハウンド「オースティン」と「ポーシャ」がB.D.S.犬舎へ輸出される。

2008年 B.D.S.犬舎に「Vee」が来日。日本で初めて仔犬を産み、のちの日本のシルケン・ウィンドハウンドの基礎となる。

<日本→メキシコに輸出される>

2009年シルケン・ウィンドハウンドがUKC(ユナイテッド・ケネル・クラブ)に認定され、UKCグランドチャンピオンを獲得。

2009年~2019年

<フランス、スロバキア、チェコ共和国、ハンガリー、セルビア、クロアチア、デンマーク、ポーランド、ルーマニア、ベルギーに輸出される>

2010 年 KCJapan(日本社会福祉愛犬協会以下KCJ)に公認犬種となる。

2012 年 KCJで初のチャンピオンを獲得。

2024 年 国内の総数100頭を超える。